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2004年6月16日・信濃毎日新聞より
千曲市議辞職
市民感覚と「ずれ」大きく
特例法問題点浮き彫り
[解説]
合併後も旧市町議員が在任し、市民から解散請求を受けた千曲市議会の全47議員が15日、辞職に追い込まれたことは、経費節減が合併の最大の効果であるはずなのに、特例で在任を認め、議員自らがそれを決定できる仕組みになっている合併特例法の問題点を浮き彫りにした。
特例法は「平成の大合併」を進めるために1995年の改正で、在任特例期間をそれまでの二倍の2年間に拡大。昨年9月1日発足した千曲市の場合、合併前の更埴市、戸倉町、上山田町の旧三市町の議員それぞれ21人、18人、15人の計54人がそのまま在任(その後7人が辞職)。期間は目いっぱいに近い1年8カ月とし、議員報酬は最も高い旧更埴市の月額309,000円余にそろえ、人口約65,000人の市の一般的な定数の二倍を越すマンモス議会が誕生した。
本来の新市の定数28(現在は24)に比べ、1年8カ月間の報酬・手当が2億1千万円余り多くかかり、これを「おかしい」とする当たり前の市民感覚と議会側の認識のずれは大きかった。今年3月以降、住民有志による解散請求の署名運動が拡大。今回に先立って5月に辞職した前議員の一人は、在任に伴う経費を合併のためのコストととらえた感覚が「いかに民意とかけ離れていたか、一市民に戻って初めて分かった」と話す。
合併協議を進めていた2002年当時、合併協議会が調べた全国43の合併新市の先例では、42市までが在任特例を適用。特例でありながら、合併前の議員が在任するのは当然という空気があったのも事実だ。
合併後の議会の定数や報酬は、合併協議会が当事者の各市町村議会に諮って決める。これについて署名運動にかかわった自営業者の男性(61)は「特例法は、合併を議決する議会に『在任特例』というアメを認め、合併を進めやすくしている。お手盛りと言われても仕方がない」と批判。合併協議会の委員が議員中心の構成だった点にも「もっと民間委員を増やすべきだった」とする。
新市の周辺部となる旧町の住民の要望を伝えたり、不均衡がないようにチェックしたりすることが必要なのは事実。だが、特例法は旧市町単位の地域審議会の設置は認めており、千曲市もこれを置き、役割も担っている。
議会だけが新市の姿に移行しないことに市民の納得を得るのは難しくなっている。新定数による選挙を合併後にただちに行い、速やかに移行できるよう十分に準備する努力が、各地の合併協議に求められそうだ
(吉沢秀樹記者)
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